Books
ききょう草の実
森の薬草専門の古書店を巡り謎が広がるなかで、主人公のアゼルは古書店の店主・伊織と出会う。七夕の「催涙雨」について語りだす伊織の横貝はどこか懐かしく、また不思議な既視感にもとらわれる。アゼルと伊織のふたりの時間が雨の中で静かに紡がれていく。
糸雨と七日目の月
人工的に植えられた「夢」と共に生きる男は、後発的に視力を失ってしまっていた。見えるものと見えないもの。また耳に響く幼い頃の記憶。そのどれもがペトリコールの香る人工雨が降る街で想いとなって重なってゆくのだが、ある日、男の元へ布で覆われた籐籠が届けられる。自分の恋人を集積された知能を持つAI(女性アンドロイド)に横取りされたりしながら、夢を売って暮らすことを余儀なくされ、結果、自分自身も自分ではなかったような物語。
夢追い人の森
昔、北の町の片隅の教会に、まるで「虔十公園林 」のように宮沢賢治のお話しさながら、木を植え続けたスイス人の神父がいた。1915年スイスで生まれた主人公ゲオルク・シュトルム神父を巡り、さまざまな人々により繰り広げられる北の町でのちいさな物語。
それは、森を想い、森を纏い生きた人々の希望も繋いでいた。
-あなたへ届く日をそっと待ち焦がれている本たち-
〇 ききょう草の実 〇 〇 糸雨と七日目の月 〇
〇 ささはなさ月の夜に 〇 〇 夢追い人の森 〇 〇 淡い月の眠る夜に 〇
〇 Velvet Night-ヴェルベットナイト 〇 〇 喫茶五番街と古書店深進堂の人々 〇